マンション管理 お役立ちコラム
上の部屋がうるさい! マンションの騒音トラブルは解決できる?
今回は「マンションの騒音トラブル」に関する事例です。
マンションには、騒音トラブルがつきものといっても過言ではありません。住民同士の深刻な対立を招きかねないため、苦情があれば早い段階で対応する必要があります。ここでは、マンションの騒音トラブルを解決に導く為の参考事例を見ていきましょう。
マンションの騒音は生活音。うるさく感じるかは人による
マンションで発生する音の大半は生活音です。子供の走り回る音、洗濯機の回る音、楽器の演奏音など、いずれも日常的に出る音でしかありません。稀に誰かへの嫌がらせのために音を出しているケースもありますが、これは例外として考えるべきでしょう。
生活音をうるさいと感じるかどうかは人によります。音を出している本人は、おそらくうるさいとは思っていません。近隣住民も、「この程度は仕方ない」と考える人もいれば、「許さない、文句を言ってやる」と憤る人もいるわけです。
そのため、「出ている音がうるさいのかどうか」を客観的に評価するのが難しく、対応に困ってしまうことが少なくありません。マンション内部の騒音問題は、音を出している人とうるさく感じている人の感覚の差が問題だといえるのです。
生活音は伝わるもの。住民同士の交流と理解が予防策
マンションの騒音トラブルは、発生する事前に防ぐことが大切です。以下の予防策を講じてみてはいかがでしょうか。
音は伝わるものであることを周知する
よほど強力な防音構造になっていない限り、生活音の伝わらないマンションはありません。近隣住民の生活音は少なからず聞こえてくるものであり、お互いに注意&許容するべきであると住民に周知しておくことで理解を促しましょう。マンションに住むのは初めての人もいるでしょうから、入居時の説明は特に重要です。掲示物も活用してみてください。
住民間のコミュニケーションを促す
同じ生活音でも、正体不明の人が出しているのと、仲のよいご近所さんが出しているのとでは印象が違ってきます。家庭の事情がわかっていれば、「お隣さんは子供が3人もいるから仕方がない」というように、許容する方向に感情が動くのです。入居時のあいさつ回り、普段の交流、家族構成の把握など、住民間のコミュニケーションを促しましょう。
解決方法の基本は話し合い。裁判は最後の手段
騒音トラブルが発生してしまった場合、基本的な解決方法は話し合いです。あくまでも住民同士のトラブルですから、管理規約に違反していない限り、管理組合が強権的に裁くわけにはいきません。前述したように、そもそも本当にうるさいのかという判断も難しいからです。
まずは当事者で話し合いの場を持ちましょう。そして、「お互いの家庭環境」「なぜ音が出てしまうのか」「なぜうるさくしてほしくないのか」といった事情について話し、解決策を見つけ出してください。当事者の相互理解を深めることが一番大切です。
どうしても折り合いがつかない場合は、裁判で決着をつけることもあるでしょう。しかし、これはかえって当事者間の対立を深めることになりかねませんので、裁判の費用やリスクなども考え、まずは話し合いで解決するようにしてみてください。
まとめ:騒音トラブルは、住民の相互理解が大切
マンションの騒音トラブルは、時として傷害事件などに発生することもありますから、放置することはできません。誰が聞いても騒音だと感じるケースを除けば、根本的な部分にあるのは「よくわからない人が音を立てている」という不快感です。マンション内での交流の機会を増やし、住民の相互理解を促すことによって、騒音問題を防ぐことができるかもしれません。