マンション管理 お役立ちコラム
マンションの共用階段に障害物が。共用部分は誰が管理するべき?
今回は「共用階段」に関する事例です。
マンションの共用階段は、住民全員が使用する場所です。共用階段に私物が置かれていて通行しにくくなっている、というトラブルは珍しくありません。また、住民から修繕の要望が出ることもありますよね。このような場合の対処法を解説します。
共用階段の管理責任は管理者にある
共用階段の管理責任は、原則としてマンションの管理者にあります。管理費・修繕積立金を負担している場合は、特に敏感に対応しなければなりません。管理費・修繕積立金は、マンションの維持管理を行うためのお金だからです。
そのため、共用階段の確認と清掃は定期的に行いましょう。落書きや破損箇所があれば修繕し、電灯が切れていれば必ず交換してください。住民が快適に使える状態を維持してこそ、管理者としての責任を果たせるのです。こうした業務をマンション管理会社に委託することも一つの方法です。
共用階段は避難経路。消防法に基づき障害物は排除すること
共用階段でよく発生するのが、ゴミや私物が勝手に置かれているトラブルです。ただでさえ昇り降りが必要な階段に障害物が置かれていれば、移動の大きな妨げとなるでしょう。災害時の避難経路を塞ぐことにもなりますから、見過ごすわけにはいきません。
もし共用階段に障害物が置かれているのを発見したら、近くの住民に確認を取り、所有者を見つけて回収してもらってください。消防法では、共用階段などの避難経路を正常に使えるよう、防火管理者が責任をもって管理しなければならないと定められています。
何度注意しても階段に障害物が置かれてしまう場合は、防火管理者として排除命令を出すこともできます。あまりにも悪質なら、所轄の消防署に立ち入り調査を依頼してください。「お願い」ではなく、消防法に基づいた「警告」であることを住民に理解していただくことが大切です。
バリアフリー化などの希望が出たら、理事会の議題にしよう
近年では高齢化が進み、住民の大半が高齢者というマンションも増えています。階段への手すりの設置、上りやすい階段へのリフォームといった要望が住民から出ることもあるでしょう。この場合はどう対応すればいいのでしょうか。
一部の住民から要望が上がってきた時は、まず定例理事会の議題とします。さらに住民全体に向けたアンケートを行い、業者から見積もりをもらって、理事会で裁決を取りましょう。住民の多くが希望しているのであれば、マンションが直面している問題として捉えるべきです。
忘れがちなことですが、リフォームの実行後は住民に再度アンケートを取ってください。住民の希望が叶い、より快適なマンションになったかどうかを確認する必要があるからです。管理者や理事会の自己満足にならないようにしましょう。
まとめ:共用階段は、管理者が責任を持って維持管理しよう
マンションの共用階段は、毎日何気なく使っている場所かもしれません。しかし、階段は住民の生活空間の一部であり、いざという時の避難経路なのです。万が一の事態に備えるためにも、共用階段の維持管理はしっかりと行なってください。