マンション管理 お役立ちコラム
支払いを待ってもらうことは可能?マンションの管理費未納問題
マンションの管理費は、設備を維持するための大切な費用です。
しかし、家賃と同様に管理費を滞納している人も珍しくなく、時として訴訟に発展してしまうこともあります。
今回は、管理費未納問題への対処法を考えてみましょう。
マンションの管理費未納問題1:他の居住者の不満
【住民の声】
同じ階の居住者に、1年以上も管理費を納めていない人がいると、ご近所さんの間で噂になっています。
毎月きちんと支払っている立場としては、許すことができません。
管理組合や管理会社が何もしないようであれば、私たちが直接抗議してみようと思うのですが、どうでしょうか?
【お悩み解決のポイント】
すべての居住者には、管理費を支払う義務があります。
管理費を納めていない人は、同じサービスを受けながら1人だけ得をしているわけですから、不公平なのは間違いないでしょう。直接抗議をしたくなるのも、やむをえないかと思われます。
しかし、長期間の管理費未納に対して、管理組合や管理会社が何も対応していないということはおそらくありません。
未納の実態は、管理組合と管理会社が最もよく理解しているはずで、未納によって1番困るのは管理組合だからです。
また、未納者に直接抗議を行うと、居住者同士の関係が悪化し、暮らしにくい空気になってしまうかもしれません。
そのため、不満があったとしても管理組合への報告にとどめ、本人への抗議は避けるのが望ましいでしょう。
他の居住者が不満を持っていることを知れば、管理組合もより積極的に対応してくれる可能性があります。
マンションの管理費未納問題2:催促の手順
【住民の声】
当マンションで、初めて管理費の未納が発生しました。他の居住者の手前、毅然とした対応を取りたいと思っています。
やはり、すぐに法的な手段に打って出るのがいいのでしょうか?
【お悩み解決のポイント】
管理費の納付の催促は、より穏便な手段から行うのが基本です。
調停や裁判には費用もかかりますし、いきなり大事にしてしまうと、未納者がかえって態度を硬化させる可能性もあります。
まずは書面による通達を行い、それでもだめなら電話や訪問、内容証明郵便による催促を行いましょう。
素早い反応を期待せず、地道に続けることが大切です。
ただし、管理費の未納から5年が経過すると消滅時効を迎え、請求ができなくなってしまう点に注意してください。
半年間以上と催促を繰り返しても、未納者が態度を変えない場合は、支払督促・少額訴訟などの法的手段を検討しましょう。
マンションの管理費未納問題3:相談しやすい環境作り
【住民の声】
お金がなく、どうしても管理費を払えません。私はマンションを出ていかなければならないのでしょうか?
【お悩み解決のポイント】
一度管理費を納めなかったからといって、即座に退去を求められるようなことはまずありません。
しかし、何の連絡もせずにいると、支払う意思がないと思われてしまう可能性があります。
そこで、どうしても管理費が払えない場合は、遠慮なく管理組合や管理会社に相談しましょう。
事情を理解してもらえば、ある程度は支払いを待ってもらえるかもしれません。
逆に管理組合の側は、このような相談を行いやすい環境作りに努めるのが有効です。
お金を払えない以上、何かしらの事情があるのは間違いないのですから、一方的に悪人と決めつけるのはよくありません。
管理組合と居住者の距離が近くなれば、未納トラブルも発生しにくくなるでしょう。
まとめ:管理費の未納は、早めの相談が大切
管理費の未納トラブルでは、「どうすれば管理費を支払えるか」ということを、未納者と管理組合、管理会社が一体となって考えることが大切です。
両者は対等な立場ですから、何か問題が発生したときは遠慮なく相談しましょう。